「黒い雨」訴訟、政府が上告を要請 県・市は断念求める

比嘉展玖、東郷隆
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 広島への原爆投下後に「黒い雨」を浴びたと訴えた84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決をめぐり、政府は23日、被告の広島県広島市に上告するよう求めた。県市の幹部が取材に対して明らかにした。県市は政府に上告断念を認めるよう求めており、上告期限の28日までに上告するかどうかを最終的に判断する。

 高裁判決は、国の援護対象区域から外れた住民について、疾病にかかわらず、幅広く被爆者と認める判断を示した。県市の幹部によると、政府と県市の担当者が23日午後、広島市内で開いた会合で、厚生労働省法務省の担当者から、「上告が必要」という政府の考え方を伝えられたという。

 県と市は、被爆者健康手帳の交付事務を国から任されているため、裁判では被告として住民らに訴えられているが、被爆自治体として国に援護対象区域の拡大を求めてきた経緯がある。湯崎英彦知事と松井一実市長は26日にも上京し、政府に「直談判」することも検討しているという。(比嘉展玖、東郷隆)