ボリビア育ち、ともに磨いた回転蹴り テコンドー日本代表の鈴木兄弟

テコンドー

堀川貴弘
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 東京オリンピック(五輪)のテコンドーに、ボリビア育ちの日本代表、鈴木セルヒオ(26)=東京書籍、リカルド(21)=大東大=の兄弟が出場する。24日、58キロ級で兄セルヒオが先陣を切る。

 2人は日本人の父健二さん(55)とボリビア人の母ノルマさん(53)の間に生まれた。3兄弟の次男セルヒオは日本で生まれ、5歳でボリビアに移住した。長男のブルーノさんが日本滞在時から空手をやっていたのがきっかけとなり、セルヒオは6歳の時にテコンドーを始めた。ボリビア第2の都市サンタクルスでジムに通うようになった。

 「8歳の時にはオリンピックでメダルを取りたい、と言っていた。テコンドーではボリビア国内では負けなしだった」と健二さんは振り返る。セルヒオは15歳でテコンドーの本場韓国の高校に留学し、その後は帰国して大東大へ進む。

 三男のリカルドは6歳くらいの時からサンタクルスで空手を始め、セルヒオの勧めでテコンドーに転向した。その後も兄を追って大東大へ進んだ。

 「セルヒオは勝つためなら何でもするような強気のタイプ。リカルドはすごく優しくて、格闘技には向いていないんじゃないか、と思うことがある」と健二さんは2人の違いを語る。

 「兄弟で金メダル」と口をそろえる2人。最初にマットに上がるセルヒオは「弟を引っ張るのが僕の役目。先に金メダルをとって、『お前もこっちに来い』と言いたい」。コロナ禍で練習がままならない時もあったが、「最近はしっかり練習ができ、今が全盛期じゃないかと思うくらい成長を実感している」と力強い。

 25日の68キロ級に出場するリカルドも「コロナで不安になりましたが、この1年間、強くなれると信じてやってきました」。ボリビアで日本料理屋を経営している父母と離れ、現在は2人は共同生活をしている。「家の中で、周りに迷惑をかけない程度にスパーリングもしていました」と打ち明ける。

 延期された1年間、ともに回転蹴りの習得に時間を費やした。成果を見せる時が来た。(堀川貴弘)