東京の感染者数、過去最多に近づく 第3波と異なる事情

新型コロナウイルス

岡戸佑樹
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 新型コロナウイルスの感染急拡大が続く東京都で、過去最多だった冬の第3波を間もなく超える可能性が出てきている。感染者数は当時に近づきつつあるが、感染状況や医療提供体制では大きく異なる点が少なくない。1日あたりの新規感染者数が約半年ぶりに2千人に迫った7月22日と、過去最多の2520人の感染が確認された1月7日の状況を比べてみた。

 「まさに、状況は危機的であって極めて深刻」

 1月7日夜の臨時会見。小池百合子知事は、コロナ禍における現状をそう表現した。政府はこの日、首都圏1都3県に2度目となる緊急事態宣言を発出。前日の6日に都内で確認された感染者数は1640人で、これまでの過去最多を287人上回った。それだけでも驚異的だったのに、翌7日には一気に2520人まで跳ね上がった。

 ただ、感染者数の跳ね上がり方以上に危機的な状況に直面していた。

 1月7日の感染者2520人のうち、65歳以上の高齢者は264人(速報値)。1979人の感染が確認された7月22日の66人を大きく上回る。当時、重症化しやすい高齢者のワクチン接種はまだ始まっておらず、高齢者への感染が広がれば広がるほど、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が強まる危険性があった。

 実際に1月7日時点での重症患者数は121人と、7月22日時点の65人のほぼ2倍だ。入院患者数も1月7日が3154人に上り、7月22日の2544人を大きく上回る。一方で、確保していたコロナ患者用の病床は当時4千床で、現在の5976床を大きく下回っており、コロナ禍最大の医療危機が迫っていた。

カギは自宅療養者

 ほかにも懸念材料はあった。自宅療養者だ。1月7日時点で5319人に達し、1カ月前の4・7倍に急増。入院先を調整している間に亡くなった人も相次ぎ、厚生労働省によると、昨年12月からの約2カ月間で、都内で計8人が自宅療養中に亡くなっていた。

 自宅療養者は第5波の今回も1月7日並みに高まりつつある。7月22日時点で4512人に上り、1週間前よりも2375人増加。入院に至らない若者らの感染が多いことも背景にあるが、自宅療養者の体調管理が大きな課題になってくる。

 都医師会の猪口正孝副会長は「療養者のフォローアップ体制をさらに強化し、できる限り自宅療養中の重症化を防ぐ必要がある」と指摘した上で、病床の逼迫についてもこう懸念する。

 「感染者が第3波を超えるような状態になってくると、入院患者数は第3波を簡単に超えてくるだろう」(岡戸佑樹)

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