2年生はゼロ、大阪のシードに 3年10人が工夫し成長

寺沢知海
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(23日、高校野球大阪大会 生野2-0富田林)

 「ここで切らんと絶対にアカン」。1点リードされて迎えた六回裏2死二、三塁のピンチ。富田林のエース右腕、草壁仁君(3年)は、覚悟を決めた。追い込んでから勝負球に選んだのは高めの直球。バッターが空振りすると、大きなガッツポーズを見せた。

 2年生の選手はゼロ。昨秋から今春までは、今の3年生の選手10人だけで練習と試合をこなした。10人だからできたこともあった。全員で話し合い、長距離走をやめて、短いダッシュやウェートトレーニングを重視するようにした。練習では互いの改善点を気軽に指摘できた。「暗黙の了解」だった坊主もなくし、髪形は自由にした。

 冬の練習を経てチームは大きく成長。120キロほどだった草壁君の直球も、130キロを超えるまでになった。春季大会ではベスト16の成績を残し、今夏はシード校として挑んだ。

 この日は、八回まで毎回走者を出すも、チャンスを生かせなかった。だが、冬まで「打たせて取るタイプ」だった草壁君は、八回を投げきり2失点、9奪三振の好投をみせた。「今までで1番良い投球。出し切りました」と表情は晴れやかだった。(寺沢知海)