鳥肌立った決勝打 8強まで2安打の4番、迷い振り切る

津布楽洋一
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(23日、高校野球栃木大会準決勝 佐野日大4-3文星芸大付)

 初球をフルスイングすることだけに集中した。真ん中に入ってきたボールをしっかり呼び込んだ。九回、決勝点となる勝ち越しの適時二塁打。不調に苦しんできた佐野日大4番の岡佐昌樹選手(3年)が、土壇場で復活した。

 二塁を踏んでおたけびをあげた。「自分のポイントで強く振れました。鳥肌が立ちました」

 春の関東大会の後、股関節を痛めて一時、強く振る練習を休んだ。これをきっかけに「(自分本来の)打撃フォームがわからなくなった」。左足を開くのが早いのは分かっていたが、なかなか直せない。準々決勝まで13打数2安打と低迷した。準々決勝の鹿沼戦も好機を逃していた。

 前夜は夜10時ごろまでバットを振った。この日、納得のいく当たりが出ないまま迎えた5打席目。麦倉洋一監督からは「顔が硬い」、ベンチの仲間からは「お前の打撃をしてこい」と送り出された。これで気持ちを切り替えられた。

 「今までのことは全部捨てよう」と集中した。会心の一打。麦倉監督も「やっと結果を出してくれた。こいつが打てなければこのチームは勝てない。打順を替えるつもりはない」。

 「作新の連覇を止めて歴史を変えたいです」と岡佐選手。当然、相手投手から警戒されるが、「その中で打つのが4番だと思っている」。表情にもたくましさが戻ってきた。(津布楽洋一)