暑くても冴えわたる観察眼 先制点もたらす絶妙スクイズ

富永鈴香
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(23日、高校野球京都大会 乙訓5-4鳥羽)

 「悔しいけれどこれが自分たちの実力。最終回、もし僕が出塁できていれば逆転できたかも、と思うと……」。鳥羽の主将、岸田悠吾君は目に涙を浮かべた。

 二回裏1死一、三塁。岸田君に打順が回ってきた。2球目の直球はスクイズを試みたがファウルに。その時、「投手は正面に出てきて、一塁手と三塁手は前に来なかった」と冷静に分析していた。次の球。外角直球を、同じ構えで一塁に転がした。それを確認してから、三塁にいた若杉優杜君が走り出した。セーフティースクイズは成功し、チームに先制点をもたらした。

 最終回、伊勢村(いせむら)勇人君に「自信もっていけ」と最初の打者として送り出された。「三振してもヒットを打っても負けたら最後の打席。ここで取り返す」。直球がきた。いけると思った。だが、飛球は左翼手のグラブに吸い込まれた。

 チーム全体を見ることが出来ず、苦しい時もあった。岸田君は仲間に感謝する。「周りの人に助けられ、このチームだからこそ自分も頑張ってこられた」(富永鈴香)