ウクライナの20歳、準決勝で崩れた心 表彰台へ押し上げた母の一言

柔道

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 東京オリンピック柔道女子48キロ級で、世界選手権2回優勝のダリア・ビロディドは準決勝で、渡名喜風南に敗れ、ウクライナ勢初の柔道金メダルに届かなかった。

 延長にもつれた試合で寝技に屈し、「精神的にも肉体的にも疲れ果てていた。私には力がないと思った」とうなだれた。

 夢破れ、控室の通路でいらだつように叫んだ。崩れた心を立て直したのは、そばにいてくれた元選手の母スベトラーナさんの一言だったという。

 「私のためにメダルを取って。あなたはできる」

 気を取り直したビロディドは3位決定戦を寝技で制し、銅メダルを獲得した。

 会場の日本武道館は、2年前の世界選手権で頂点に輝いた場所だった。

 メダルの色は変わったが、「コーチ、母国、そして自分のために、銅メダルを取れてよかった」。

 20歳の人気選手はあふれる涙を両手で拭った。