相馬野馬追、2年ぶり騎馬武者「お行列」 街にいななき

佐々木達也
[PR]

 1千年余の伝統があるとされ、福島県相双地方の夏を彩る国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」が24日、始まった。コロナ禍で昨年に続き、神事中心の最小限にとどめる「ご省略」となったが、相馬市内と浪江町内では2年ぶりに騎馬武者の「お行列」があり、セミ時雨の中、馬のいななきが街中に響いた。26日まで。

 午前10時過ぎ、花火の合図とともに相馬中村神社(相馬市)の大手門が開き、騎馬武者約40騎の列が市街地に繰り出した。相馬家第33代当主、相馬和胤(かずたね)氏の長男で、総大将を務める行胤(みちたね)さん(47)は中盤に登場。馬上から住民の顔を確かめるように、ゆっくりと進んだ。

 沿道では多くの住民らが出迎えた。友人2人と来ていた地元の70代女性は2年ぶりの「お行列」に、「騎馬武者が大手門を出てきてホッとした」と喜んだ。「お行列」が中止となった南相馬市から親子孫3代できた家族連れもあった。

 「お行列」に先立ち、神社本殿で安全祈願祭などがあり、神前に祭典の「ご省略」を報告した。先代の田代誠信(とものぶ)宮司が11日に亡くなったばかりで、参列者はみな喪章を胸に参列した。

 相馬野馬追は昨年、コロナ禍でほとんどの行事を中止にし、無観客で神事中心にとどめ、大幅縮小にすることで、伝統を守った。

 今年は当初、呼び物の「甲冑(かっちゅう)競馬」や「神旗争奪戦」を含め、公式行事を復活させることに。約350騎が参加を予定していた。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、主要行事の無観客開催に変更。6月下旬から南相馬市内で感染者が急増したことから、昨年並みの縮小開催にかじを切った。

 2年続きの大幅縮小に、相馬行胤総大将は「日本全国がまだコロナ禍にある中、出陣できたことに感謝したい。2年ぶりに領民の顔を見ることができ、力をいただいた」と話した。

 相馬野馬追は、25日午前11時から相馬太田神社(南相馬市原町区)で例大祭、26日午前9時45分から相馬小高神社(南相馬市小高区)でご神馬の献納などの例大祭があり、オンライン(https://soma-nomaoi.jp/info/live2021/別ウインドウで開きます)でライブ配信される。(佐々木達也)