「応援してもらえるかな」悩んだ前田マヒナ 決意を記して五輪の波に

サーフィン

室田賢
[PR]

 東京オリンピック(五輪)のサーフィン女子日本代表の前田マヒナ(23)はハワイ・オアフ島で生まれ育った。父は大阪出身、母は東京出身で、ともに日本人だ。

 4歳でサーフィンを始めた。花が開いたのは15歳だった。国際サーフィン連盟主催の世界ジュニア選手権で優勝し、翌年の同じ大会でも優勝。ジュニアの世界でトップに立った。

 転機は2016年。サーフィン東京五輪の新競技に採用された。サーフィン界では当たり前の「ハワイ代表」という枠は五輪になく、米国か日本のどちらでめざすか迷った。選んだのは日本だ。

 「お母さん、お父さんが家の中では日本人として育ててくれたから」

 周囲の目が気になったこともあった。

 「ハワイの人に嫌われるかな」「日本の人に応援してもらえるかな」

 日本代表を決断するまでは、自分の日本語にコンプレックスを感じて、日本人に話しかけることが得意ではなかった。

 それでも、友人を増やそうと努めた。来日時は積極的に話しかけたり、自分からわからない日本語を聞きに行ったり……。

 名前の「マヒナ」はハワイの言葉で「月」の意味。太陽に照らされて明るく光る月のように、という親の願いが込められている。

 持ち前の明るさはあった。一度、人と話してみれば打ち解けるのは早い。自然と日本でもハワイでも応援する人が増えていった。

 大波で有名なハワイで培ったスピードとパワーが持ち味だ。昨年11月、五輪会場と同じ千葉県・釣ケ崎海岸サーフィンビーチで開かれたジャパンオープンで優勝した実績もある。

 東京五輪の開会式に参加し、様々なルーツを持つ選手たちの姿を見た。そして、自身のインスタグラムにこう記した。

 「私はハワイで生まれ育ったけど、日本にルーツを持っている。ハワイと日本人のプライドを持って、オリンピックでは全力を尽くしたい」室田賢