「君たちに覚悟あるのか」 明治魂の監督を球児は信じた

木村浩之
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(24日、高校野球西東京大会 東海大菅生5-0明治)

 三回、先頭の打者に本塁打を打たれ2点差になった。次打者も安打で出塁を許し、二盗を狙われたが、捕手が好送球で阻止。続く打者には二塁打を打たれピンチが続いたが、左翼手が外野奥深くまで飛んだ打球を相次いで堅実に捕り、追加点は許さなかった。明治が一昨年夏から目指した「守備の野球」(加藤和幸監督)が結実した。

 エース益山直己(3年)は「ボール回しも、まともにできないチームだった」と振り返る。変わったのが一昨年夏だった。加藤監督が就任した8月、長野での合宿。地元の高校と練習試合をし、「ラグビーの試合のような点差」で負けた。無駄な送球が暴投になり、先の塁を与え、失点を重ねた。悔しかった。

 監督は選手に2度にわたる自分の心臓手術の話をした。明大でプレー経験があり、明治魂の継承のため命がけで監督を引き受けたことを伝え、尋ねた。「君たちには覚悟があるのか」。選手の目の色が変わった。

 選手たちは監督の指導にそって守備を重視した。益山も意識が変わった一人。投手練習は2年から始め、無駄な四死球を出さないことで守備にリズムが生まれると考えた。スクワットで下半身を強化。フォームを固め、ストライクゾーンの四隅を狙う練習を重ねた。

 この日は五回まで無四球。失策と犠飛などで無安打で1点を失った二回は、最後の打者を外角低め直球で見逃し三振にした。ベストピッチだったという。

 「別のチームみたい」に成長した2年。「監督を信じて良かった。いい仲間にも巡り合えた」と笑った。=スリーボンド八王子(木村浩之)