堀米雄斗、スケボー初代王者に 「アメリカに豪邸」実った努力

スケートボード

加藤秀彬
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 アメリカンドリームをつかんだ22歳の日本人が、スケートボードの五輪初代王者となった。男子ストリート決勝で、地元東京出身の堀米雄斗が37・18点の驚異的な高得点で金メダルに輝いた。

 高校卒業後に渡米し、スケボーの本場を拠点にプロとして活躍する。世界最高峰ツアーの「ストリートリーグ」では、2018年に日本人初優勝。今年6月の世界選手権でも1位になった。

 トップスケーターとして成功するのが、幼い頃からの目標だった。国内外でスポンサーを獲得し、昨年10月、ロサンゼルスに4LDKの豪邸を建てた。裏庭に練習場も併設し、スケボー漬けの日々を過ごす。小学生のとき、周りに笑われながらも公言した「アメリカに家を建てる」夢を実現した。

 強さのひみつは、決勝でも見せた「オリジナル」のトリック(技)へのこだわりだ。その原点は、中学時代に参加した米国のアマチュアコンテストだった。

 当時、国内では敵なし。日本ではミスさえしなければ勝てる実力だったのに、この大会では予選落ちした。世界で勝つには、他の選手がまねできない、難易度の高い技が必要だと痛感した。

 「何万人のスケーターの中でどう目立てるか考えたとき、人がやっていないトリックなら注目してくれると思って。がむしゃらに新しい技を練習し始めました」

 スケボーの技は、跳び方や板に立つスタンス、回る向きの組み合わせから生み出される。堀米が参考にしたのは、1990年~2000年代に流行したアメリカのスケーターだ。

 堀米にスケボーを教えた父・亮太さん(46)や日本代表の早川大輔コーチ(47)は、20代のころに自身が「かっこいい」と感じた映像を何度も見せたという。

 当時の選手たちが低い縁石でやっていた技を、堀米は今、高い手すりの上でもやってのける。玄人好みの技を高いレベルで再現し、審査員の心を打つ。

 早川コーチは言う。「雄斗は、もう僕らの伝説を超えちゃっているんです」

 スケボーはストリートカルチャーを中心に広まった。今大会から五輪の新競技になったが、「スケボーってスポーツなの?」と疑問をもつスケーターも少なくない。

 だが、堀米は大会前にはっきりと言った。

 「地元で滑る一生で一度の機会。ベストの滑りで、金メダルを狙います」

 会場の有明アーバンスポーツパークは、生まれ育った東京都江東区。地元開催の五輪で、また一つ、誰も成し遂げていない偉業を達成した。加藤秀彬