ルールブックを愛読「知識で点防げる」 夢はプロの審判

西崎啓太朗
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(24日、高校野球茨城大会 鹿島学園7-1石岡一)

 九回表のピンチ。石岡一の伝令が発した言葉はアドリブだった。

 仲野慎司君(3年)は、マウンドに集まった選手の元に駆け寄った。監督からは「行ってこい」だけ。「もっと笑おう。最後まで明るく」

 「自分が明るくないと意味がない。マウンドに向かうときも、ベンチに戻るときも笑顔で走りました」

 仲野君には悩みがある。授業に身が入らないと、思わず野球のルールブックを開いてしまうのだ。

 「家に帰ってからの勉強の7割は野球です」。野球のルールが細かく記された公認野球規則や野球審判員マニュアルを読み込む。ただ、「暗号みたい」で頭に入らないルールもある。そんな時はユーチューブの映像で実際のプレーを確認し、覚えている。

 二塁手だが、昨夏に肩を痛め、思い通りに投げられなくなった。監督のアドバイスもあり、野球の勉強に励むように。「他の部員がルールを知らなくても、自分が分かっていれば1点を防げる」。そんな自信も生まれた。監督から信頼を得て、今大会は主に三塁コーチャーを務めてきた。

 これからも野球の勉強を続ける。夢はプロ野球の審判になることだ。(西崎啓太朗)

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