ずっとかわいい妹 やまゆり園事件「彼」に言いたいこと

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大宮慎次朗
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 ずっと続くと思っていた、いつもと変わらぬ日々。だがそれは突然壊された。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者ら45人が殺傷された事件から、26日で5年。被害者の家族は、いま何を思うのか。妹が重傷を負った男性(56)の言葉に、耳を傾けた。

 顔も似てるでしょ。妹はじっとこっちの目を見て、おでこをくっつけてきます。俺にも思春期があって、時に強くあたっちゃうこともありましたけど、それでも甘えてくるんです。

 《重度の知的障害がある男性の妹(50)は、約25年前にやまゆり園に入所した》

 急きょやまゆり園に空きが出て、24時間以内に結論を出すよう言われて。何で突然今なんだと、布団をかぶって泣きました。でも家だと人任せだったのに、入所後は自分で服をたたんだり、ほかの人の布団を敷いたり。それを見て、「この選択は間違ってない」と思うようになりました。

 《16年7月26日、元職員の植松聖死刑囚(31)が入所者19人を刃物で殺害し、職員を含む26人に重軽傷を負わせた。男性の妹は首や顔を切られ、重傷を負う。同室の入所者は亡くなった》

 病院の部屋に入ったら、血の臭いがしました。枕元には血に染まった服があり、母は泣き叫んでいました。意識はなかったけど、こっちの言っていることは何となくわかっている感じだった。

 数日後、妹は「あっ、あっ」と声を出しました。昔から俺のことを心配するところがあって、「大丈夫だよ、泣かないで」みたいな感じの声でした。俺は声を上げてびいびい泣きました。包帯ぐるぐる巻きで抱きしめられないから、「お前は不死身だなあ」って頭をなでた気がします。

 《植松死刑囚は事件の際、話…

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