通院できぬ人へ「往診」して接種 運搬やルートに工夫も

有料会員記事新型コロナウイルス

真田香菜子、重政紀元
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 新型コロナウイルスのワクチン接種で、寝たきりなどで自宅から動けない人が取り残される懸念が出ている。医師が自宅を訪れる「往診」で接種をするケースもあるが、ワクチン1瓶あたりに最低必要な人数を集める手間などで苦戦している。

 「採血より痛くないよ」。千葉市花見川区の川島フサ子さん(92)は6月下旬、自宅の食卓のイスに座ったままワクチン接種を受けた。接種をしたのは千葉在宅診療クリニック(千葉市稲毛区)の医師だ。

 川島さんは、足が弱っていて出掛けるのが難しいため、半年ほど前から在宅診療を受けている。見守った夫の恒夫さん(90)は、「接種に行くなら、市外に住む娘を呼んで半日がかり。移動は妻にも負担が大きいので、家で打てて良かった」と話した。

 この日、クリニックでは高齢者施設と個人宅で計60人の接種を行った。ワクチンは当日朝、クリニック内で人数分のシリンダーに詰め替えて保冷した状態で看護師が運ぶ。振動で品質や有効性が低下する恐れがあるとされており、運搬にはシリンダーを立てたまま固定することができる採血用の機材を使うなど、工夫している。

 クリニックは一昨年、在宅診療を専門に開業。常時2~3人の医師と6人の看護師がおり、患者1人につき月2回以上の定期往診を行う。市内に200人超の患者がおり、ほとんどが通院できない高齢者だ。

 往診接種で苦労しているのはルート設定だ。希釈したワクチンの有効期限である6時間以内に患者宅を回れるよう、移動や待機時間を計算。ワクチン1瓶に含まれる原液は6人分(当初は5人)のため、余りが出ないよう、患者家族に接種するなどの工夫もしている。

 家族への接種は、ワクチン廃棄対策だけでなく、介護する家族の悩み解消にも一役買っている。

過疎地では、さらに難しく

 往診を受ける千葉市中央区の…

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