第2回在庫は4千万回分? 自治体は「2回目分が大半」と反論

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戸田政考、高橋健次郎、添田樹紀
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 政府が新型コロナウイルス対策の「切り札」とするワクチン接種が滞っている。供給量は十分で、自治体や医療機関に「在庫」があるのが問題だと主張する政府に対し、自治体は在庫はないと反発。早期の接種を望む人たちにしわ寄せが及んでいる。

 「64歳以下のワクチンの接種予約の受け付けは、延期されました」

 兵庫県宝塚市の男性会社員(61)は今月6日、市のコールセンターに電話して接種希望を伝えたところ、そう説明された。

 政府からのワクチンの供給不足の影響で、今月12日開始予定だった64歳以下の予約受け付けは延期になり、再開時期は未定だという。

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ワクチンはどこに

 同居する父親(93)は、すでに2回の接種を終えた。それでも父親への感染を防ぐため、自身は朝晩に体温を測り、父親とは別のトイレを使う。「私には高血圧などの基礎疾患もある。不安は大きいのに予約再開を待つしかなく、もやもやする。国はスムーズに接種できるようなことを言っておきながら、何も責任をとらない」と憤る。

 「接種を心待ちにしていたのに、ちゃぶだい返しです」。首都圏に住む女性会社員(36)も途方に暮れる。地元自治体では、今月初旬に予約を停止した。

 5歳と3歳の子どもの感染を防ぐため、早期の接種を希望しているが、勤め先での職域接種も期待できない。会社に見通しを尋ねても、「決まっていません」と言われるだけだ。

 周囲では接種を終えた人もいる。居住地や勤務先によって「格差」が生じているように感じる。

 「ワクチン接種は受けられないのに、感染拡大の懸念がある東京五輪は決行される。気持ちがおさまりません」

 政府が調達しているワクチンは、主に自治体向けのファイザー製と、主に企業や大学など職域向けのモデルナ製の2種類。いずれも供給が停滞する事態に陥っている。

 ファイザー製の2週間あたりの全国向け供給量は、6月は最大1870万回分だったが、7~8月は約1200万回分に減る。各地の自治体は予約停止や予約キャンセルに踏み切らざるを得なくなった。

「態勢をどんどん増やせば、ワクチンがどんどん供給されると思っていた」と大阪市松井一郎市長。市の接種計画は変更を迫られました。

 これに対し、政府は6月末ま…

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連載ワクチンはどこに(全2回)

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