7月25日の高校野球 群馬

中村瞬
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 群馬大会は第13日の25日、上毛新聞敷島球場で準決勝2試合があった。前橋育英は、春の県大会でコールド負けを喫した太田に雪辱を果たし、5大会連続(昨年は中止)の決勝進出。健大高崎は、小沢の4打点の活躍で利根商をコールドで下し、第100回記念大会以来の決勝へ駒を進めた。決勝は27日午前10時から同球場で行われる。

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 3点を追う九回表2死一塁、打席には太田の主将、沢田大和(3年)。2球で追い込まれたが、ボールを見極めファウルで粘る。フルカウントからの8球目、バットは空を切った。最後の打者となった。

 岡田友希監督は今年のチームを「沢田のチーム」と言う。沢田はこの日も率先して周囲に声を掛け続けた。要所での間の取り方、投手への助言。先発のエース大舘陽七薫(ひなた)(3年)は「ピンチでも笑顔を忘れるなと言われ、何とか気持ちを保てた」と振り返る。

 これまで主将としてあえて言いにくいことも言ってきた。6月、練習で連係プレーがうまくいかず、選手の声が出ていない様子を見かね、「何を目指して俺たちはやっているのか」と強い口調で活を入れた。

 昨秋、腰をけがした時期があった。サポート役を務めたことで、試合に出ない選手の気持ちへの理解を深めた。岡田監督は「仲間思いで、人の気持ちがわかる男」と評する。

 準々決勝の樹徳戦。暑さの影響で足がつり、無念の途中交代。延長十三回、代わりに出場した高瀬有富(あとむ)(3年)が決勝のホームを踏んだ。「みんなに助けてもらったので、次はみんなを助けたい」。そう意気込んで臨んだ準決勝だった。

 ベスト8は、岡田監督が3年生の時以来、27年ぶり。沢田は「母校を甲子園に、という監督の夢をかなえたかった」と涙を流した。

 太田の声は武器だ。大会中、ベンチはいつもにぎやかだった。投手がストライクをとれば「ピッチャーいいね!」。野手が難しい打球をさばけば「よく捕った」。時には相手の好守備も「ナイスプレー!」とたたえる。沢田を筆頭に、みな最後まで声を出し続け、さわやかな印象をグラウンドに残した。(中村瞬)