7月25日の高校野球 栃木

中野渉
[PR]

 全国高校野球選手権栃木大会は25日、県営球場で決勝があった。作新学院が佐野日大を3―2で下し、中止となった昨夏を挟んで10大会連続16回目の優勝を決めた。1点を争う接戦となり、七回に勝ち越した1点を守り切った。全国大会は8月9日から阪神甲子園球場兵庫県)で開かれる。

     ◇

 優勝が決まった瞬間、作新学院の田代健介主将(3年)は中堅からガッツポーズをしながら、全速力でマウンドに駆けつけた。

 「強そうで強くない」と評されたチームだった。昨秋の県大会準決勝で石橋に敗れ、春の県大会決勝で佐野日大に負けた。関東大会では初戦の浦和学院にコールドで大敗した。

 6月に入っても練習試合で思うような結果が出なかった。小針崇宏監督からは「このままで夏に勝てるのか」と繰り返し活を入れられた。

 今大会に入っても初戦の栃木戦は8―2で勝ったものの、17安打で16残塁と拙攻が目立った。この試合、リードオフマンの田代主将は3打数無安打で途中交代させられた。締まらないチーム状態に、批判の声も上がった。矛先は主将にも向けられた。

 「このままではだめだ。主将として恥ずかしくない仕事をしよう」。それまで以上に必死で練習した。その成果もあり、小山戦、那須拓陽戦、準決勝の宇都宮短大付戦で複数安打を放った。主将の復調に呼応するように、チーム打撃にもつながりが出て、チーム状態が少しずつ上向いてきた。

 佐野日大に競り勝ち、春の県大会の雪辱を果たすことができた。「ようやく自分たちの野球をすることができた」。小針監督は「きつい練習のなか、よくやってきてくれた。たくましくなってきた」とたたえた。

 大会前、コロナ禍で栃木大会が中止となり、昨夏の大会に出られなかった先輩たちから、励ましの動画が送られてきた。田代主将は「一緒に汗水流してやってきた先輩のために、甲子園で校歌を流すことが恩返し。一戦一戦を大切に粘り強い野球をしたい」。中野渉