センバツでサヨナラ優勝打を浴びてから 明豊エースの今

倉富竜太
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(25日、高校野球大分大会 明豊6-0大分舞鶴)

 初回、マウンドに上がる前、明豊のエース京本真投手(3年)が、帽子を脱いで頭を下げた。時間にして5秒。面を上げると、穏やかな表情から一転、闘志をむき出しにした。

 先頭打者を空振り三振に仕留めた。140キロ台の直球で追い込み、変化球を振らせる。準決勝までの4試合で45安打をたたき出した大分舞鶴の「超強力打線」のバットが、次々に空を切った。

 投球前に頭を下げる動作は、打たれて出塁されても動揺しないよう、気持ちを落ち着かせるための「儀式」だという。

 決して忘れられない、春の選抜大会、東海大相模との決勝戦。八回から救援し、九回裏、申告敬遠の後に四球で満塁とされ、サヨナラを打たれた。自分のせいで負けた、と思った。

 率先して走り込みをして下半身を鍛え、制球力を磨いた。仲間に「俺が甲子園につれていってやる」と宣言し、あえて自分にプレッシャーを与えることで、エースとしての自覚をたたき込んだ。

 「以前なら四球を出したら動揺していたが、全く動揺しなくなった」。言葉どおり、この日は2四球の走者を、ゴロと空振り三振で進塁させなかった。

 九回表2死、最後の打者への初球は143キロの直球。3球目で二ゴロに打ち取った瞬間、マウンド上で両手を大きく広げた。

 「決勝の出来は50点。残り50点は、甲子園で優勝し日本一になるまでとっておきます」。既に、次の大舞台を見据えていた。(倉富竜太)