女子マネジャー、外野のノックもお任せ 八尾高校野球部

甲斐江里子
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 全国高校野球選手権大阪大会で八尾(八尾市)の試合前、グラウンドでテンポ良くノックを打つのは、マネジャーの中島ゆらゝさん(3年)だ。

 小学4年から野球を始め、中学の軟式野球部では一塁手として男子とプレーした。引退が近づいたころ、思うようにボールが投げられなくなり、チームに迷惑をかけるのがつらくなった。選手はあきらめた。

 高校は女子ハンドボール部に入ろうと考えていた。その前に野球部の練習を見学したのは「もう野球をやらなくていいや、と自分を納得させられたら」と思ったからだ。だが、真剣に練習に取り組む部員たちの迫力に心が揺さぶられた。「自分がおるべきなのはここだ」と、マネジャーで野球を続けることを決めた。

 「ノック、打ってみたいか」。昨年秋、長田貴史監督(44)に言われた。当時の部員は40人以上。主に練習を指導するのは長田監督と大谷友哉部長(25)だけで、手が回らないという事情もあったという。

 弟とキャッチボールで遊ぶことはあったが、バットを握るのは久しぶりだ。外野へのノックを任されたものの、バットを振ってもゴロばかり。打ち上げても外野に届かない。「ボールの下をこするように打ち上げろ」などと長田監督に助言をもらい、公園で弟に手伝ってもらいながら練習した。

 いまは校内での練習だけでなく公式大会でも外野のノックを任される。チームに欠かせないスタッフだ。

 外野手の嶋崎大河主将(3年)は「(中島さんの)ノックはめちゃくちゃ上達した。自分たちもがんばろうっていう気持ちになりました」と言う。

 八尾は3回戦までの2試合を連続で零封勝ち。中島さんは「1試合でも多くみんなと野球をして、最後はみんなと笑って終わりたい」と話す。(甲斐江里子)