県外の強豪校を断り高松商へ 元日本代表がつかんだ優勝

谷瞳児
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(25日、高校野球香川大会決勝 高松商6-5英明)

 2番に座る「主砲」の一振りが甲子園をたぐり寄せた。4―4の同点の七回表、先頭で打席に入った高松商の浅野翔吾君(2年)が、3球目の真ん中低めの直球を振り抜いた。

 「打った瞬間入ったと思った」。左中間スタンドに突き刺さる勝ち越しの本塁打になった。前の打席は長打を狙って空振り三振。この打席は「次につなごう」と意識した分、コンパクトに振れた。

 今春の県大会後、結果を求める焦りもあって好機で力み、打撃の調子を落としていた。長尾健司監督から「バットが下から出ている」と指摘された。右打者だが、復調のきっかけを求め、練習試合で普段と違う左打席に立つなど試行錯誤した。

 今大会では2、3回戦で計4四死球と、勝負を避けられ、ボール球に手を出すなど調子を崩しかけた。しかし、出塁すれば、好機で中軸に回る。長尾監督が2番打者に置く理由の一つだった。

 自身の打撃も、春からの成果が出て、準々決勝で満塁本塁打、準決勝では九回の4点差から同点に追いつく2点適時打を放って、チームの勝利に直結する活躍をしてきた。「いろんな人からアドバイスをもらったおかげで、自分のバッティングを取り戻せた」

 小3で野球を始め、類いまれなパワーで柵越えを連発してきた。中3の時にはU―15(15歳以下)の日本代表に選ばれ、アジア選手権に出場。高校進学の際には県外の強豪校から誘いがあったが、「地元の人に応援してもらえる環境で、甲子園に行きたい」と高松商に進学を決めた。

 憧れの舞台への切符は自身のバットで手にした。「甲子園で一人でも多くの人に自分の存在を知ってもらいたい」。さらなる高みへ、野心をのぞかせた。(谷瞳児)