忘れない、19の命 やまゆり園事件5年、共生社会願い

大宮慎次朗、岩堀滋
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 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件は、26日で発生から5年を迎えた。遺族や犠牲者を知る元職員、障害がある人たちが事件を機に建て替えられた新園舎を訪れて慰霊碑に献花するとともに、共生社会の実現を願った。

 電動車いすで献花に訪れた公務員の和田拓也さん(28)=東京都中野区=は、犠牲者のうち7人の名前が刻まれた慰霊碑前で手を合わせた。「障害者は不幸を作る」。殺人などの罪で死刑が確定した元職員、植松聖(さとし)死刑囚(31)の発言を聞き、身の危険もあると感じて外出が怖くなった。先日、路上で車いすのバッテリーが切れて動けなくなったが、気にかけてくれる人はいなかった。「障害の有無にかかわらず、周囲が気遣い合う世の中になってほしい」と話す。

 「弟の施設で事件が起きたらと思うと言葉が出ない」。こう語る横浜市の会社員男性(39)の弟には、重い知的障害がある。東京五輪開会式の作曲担当だったミュージシャンが過去に障害者らをいじめた問題で辞任したことを踏まえ、「差別の思想が改めて可視化された。怖さが増した」。

 千葉県の福祉施設職員の女性(48)は20年ほど前に4年間、やまゆり園で勤務した。犠牲者の中には、知っている人もいる。「言葉が話せない利用者にも様々な思いがある。一人ひとりに生きている意味があると伝えていくのが私の役目」と訴えた。(大宮慎次朗、岩堀滋