上達への近道は 新たな人間国宝の文楽・桐竹勘十郎さん

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向井大輔
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父と師匠に続いて人間国宝

 人形浄瑠璃文楽の人形遣い、桐竹勘十郎さん(68)が、人間国宝に認定されることになった。父の故・二世桐竹勘十郎さん、今春に現役を引退した師匠の吉田簑助(みのすけ)さんに続く認定に、「身の引き締まる思い」と重責を痛感している。

 認定の連絡を受けた後、師匠の簑助さんにすぐに電話で知らせた。脳出血の後遺症で言葉の不自由な簑助さんは、電話口で「おめでとう、おめでとう、おめでとう」と何度も口にした。勘十郎さんが聞こえただけでも5回は言ってくれたといい、「これがものすごくうれしかったですね」とかみしめる。

 江戸時代に大阪で生まれた人形浄瑠璃文楽は、1体の人形を3人で操る。世界でも類を見ない高度な芸だが、その分、長い修業が求められる。この厳しく果てしない人形遣いの世界へ飛び込んだのは、14歳のとき。名人と称された師匠のもとで女形を磨き、父からは立ち役(男役)の薫陶を受けた。

記事の後半には、父と師匠の教え、そして勘十郎さんが考える上達のひけつについて書かれています。

 「どちらかというと動かすタイプ」とみずからをいう。「義経千本桜」の狐(きつね)忠信などは動きが多く、遣っていて楽しい役だという。

 だが、若い頃は「もっと動かせ、もっと動かせ」と父から言われた。「汗をかいて、とにかく必死に動かすんですが、それでも『まだ動いていない』と。そうなると、これ以上どうしたらいいか分からなくなった」と振り返る。

 入門して50年以上経ったい…

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