温室ガス46%減へ計画案 施策なく「実現の確度低い」

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川田俊男 編集委員・石井徹
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 政府は26日、温室効果ガスの排出削減に取り組む新たな「地球温暖化対策計画」の案を公表した。菅政権が4月に掲げた「2030年度に13年度比46%削減」の目標に向け、産業部門の削減率を従来の7%から37%、家庭部門も同39%から66%に大幅に引き上げる。50年の排出実質ゼロに向けた青写真を示した形だが、裏付けとなる施策の詳細は盛り込まれておらず、実現性が問われそうだ。

 改定案は26日、環境省経済産業省の専門家会合で示された。今後計画を正式に決め、意見募集して今秋までに閣議決定する。11月に英国で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)までに、この計画をもとにした削減目標と対策を国連に提出する。

 16年につくられた現計画は、50年の温室効果ガスの排出量を80%削減するために「30年度に13年度比26%削減」としていた。今回の改定では、菅政権が掲げた「46%削減」目標に合わせるために、現計画からさらに20%分の削減策を積み増しすることになった。

 経産省が今月公表したエネルギー基本計画の素案では、省エネで電力や熱などエネルギー全体の需要を30年度に18%減らし、再生可能エネルギーを今の2倍に増やすなどして発電由来の二酸化炭素CO2(下付き2)を抑える方針を示している。

環境省幹部「目標は想像以上に難しい」

 環境省はこの素案をもとに、産業・業務・家庭・運輸など各部門ごとにガス削減量の内訳を算出した。

 産業部門は、従来の計画で7%減にとどまるとしていたが、5倍以上の37%削減とした。

 従来は4割減らす計画だった家庭部門では、66%の削減をめざす。30年に新築住宅で平均20%の省エネを実現させ、すべての照明をLEDなどの高効率なものに変える。太陽光発電用のパネルを住宅の屋根や荒廃農地などあらゆる場所に設置していく方針だが、住宅にどのぐらい置く必要があるかなどは検討中という。運輸部門は補助制度などの強化で電気自動車の普及を促し、30年までに新車の乗用車の5~7割をハイブリッド車も含めた次世代自動車にする。

 CO2のほか、代替フロンやメタン、一酸化二窒素なども含めて排出量をほぼ半減させる。

 4月に削減目標を決めた際には、39%分しか裏付ける削減策を積み上げられなかった。政府はその後、省エネと再エネを積み増したが、計画案では実現するための詳細な施策には踏み込めていない。専門家会合では「化石燃料が大勢を占める現状からの転換であることを明記すべき」「国民や自治体が取り組める仕組みや制度を作ってほしい」といった意見が出た。環境省幹部は「46%目標は想像以上に難しく、かなり背伸びした。従来の計画より実現の確度は低いものになった」と話す。(川田俊男)

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