伊藤美誠と水谷隼は小さな町で出会った 「年の差兄妹」16年間の絆

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吉永岳央
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 東京オリンピック(五輪)第4日の26日、卓球の新種目、混合ダブルスの決勝があり、水谷隼(じゅん)(32)、伊藤美誠(みま)(20)組がゲームカウント4―3で中国の許昕、劉詩雯組に勝ち、日本卓球史上初の金メダルを獲得した。

 振り返れば、不思議な縁だった。水谷と伊藤はともに静岡県磐田市出身。出会ったのはもう、16年以上も前になる。

 伊藤は4歳の頃から週2日、地元の「豊田町卓球スポーツ少年団」に通った。コーチを務める水谷信雄さん(61)の次男が、隼だった。当時からすでに海外で活躍するスター選手。初めて会った日のことは、もうはっきりしない。「気づけばお兄ちゃんみたいな感じで、そこにいました」と伊藤は振り返る。

 次第に、水谷が帰郷するとなぜか伊藤家でくつろぐ面白い関係性が築かれていく。「実家より先に私の家に来て、遊んでいました。仲の良い『年の差きょうだい』って感じ」と伊藤が言えば、水谷は「日課みたいに行っていました。何でですかね」と笑う。「僕の中で彼女の年齢は5、6歳から止まったままなんです。『ガキだな』って感じだったのに、こんなに強くなるなんて」

 だから、12歳の年の差があ…

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    石合力
    (朝日新聞編集委員=国際関係、外交)
    2021年7月27日0時50分 投稿
    【視点】

    今回の五輪を待っていたかのような不思議な縁、奇跡的な巡り合わせがもたらした栄冠に感動しました。スポーツや芸術の分野では、必ずしもその種目や分野の中心地とは限らない場所に、時として才能が集中して現れることがあるように思います。思い起こしたのは