吉田輝星に名前も度胸もそっくり 弘前学院聖愛のエース

渡部耕平
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(26日、高校野球青森大会決勝 弘前学院聖愛6-5青森山田)

 マウンドは楽しむもの。そう言わんばかりに、弘前学院聖愛のエース葛西倖生(こうせい)(2年)は、涼しげな顔で投げ続けた。伸びのある直球で押す。でも、肩の力は抜く。打ってみろ、とは思わない。打ち取るために「打ってもらおう、という感じ。気持ちで球の質が変わるのです」

 その落ち着きぶりが抜群の制球力を生む。ピンチを迎えると、あえてプレートを外し、一呼吸入れた。「相手のブラスバンドの応援を聴いて楽しんでいました」と、さらりと言う。

 六回、2失点してなお2死三塁の場面でも、焦らない。自慢の真っすぐを低めいっぱいに決め、見逃し三振に取る。七、八回は速球を決め球にして三者凡退。投球のテンポのよさは何があっても変わらなかった。

 「守りが心強いので、打たれても安心なのです」

 九回は走者を背負ったが、仲間も普段通りを貫いた。弘前学院聖愛の内野手は守備につくときも、イニングの途中でも、塁の周りで片ひざをつき、手で掃き清めるように土をならす。イレギュラーバウンドを防ぐだけではなく、グラウンドを大切にする心がけを忘れず、ひざをつくことで精神を落ち着かせるためだ。

 エースも気持ちは一緒。2死一、二塁に持ち込まれても、慌てなかった。直球に渾身(こんしん)の力を込め、最後の打者を左飛に打ち取った。

 あこがれの投手は、第100回の全国大会で準優勝した金足農(秋田)の吉田輝星(こうせい)(日本ハム)。同じく直球を武器に、旋風を巻き起こした。テレビで釘付けになったそのエースに、一歩近づいた。

 さあ、甲子園。「持ち味のストレートを生かして、どんどん打ち取って、勝ち進んでいきたい。そして、東北に初の優勝旗を持ってきたい」。青森から頂点をめざし、津軽の「コウセイ」がゆく。(渡部耕平)