山本選手「やりきった顔していた」 マウンテンバイク

中沢滋人
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 東京五輪自転車競技マウンテンバイク)男子クロスカントリーが26日、静岡県伊豆市の伊豆MTBコースであり、国内第一人者の山本幸平選手(35)=幕別町出身=が出場した。「集大成」として臨んだ4度目の五輪の結果は29位。両親や幼いころから支えてきた人たちからは、ねぎらいの言葉が出た。

 レースは観客を入れて行われ、両親の哲也さん(66)と美智子さん(63)が見守った。哲也さんは「ゴールした瞬間、やりきった顔をしていた」、美智子さんも「『幸平』と声援をもらってレースができて、本人もうれしかったと思う」と話した。

 山本選手は3歳ごろから補助輪なしで自転車に乗るようになり、幼いころに住んでいた浦幌町のスキー場などを駆け回った。「山の中で乗るのが楽しかったようでした」と哲也さん。小学3年で、3歳上の兄・和弘さん(38)とともに競技用マウンテンバイクを手に入れ、小4から道内各地のレースに出場するようになった。両親は遠征のたびに車を出し、兄弟を支えた。

 高3の時、初出場したスイスでの世界選手権(ジュニアクラス)が転機に。レベルの高さ、観客の多さに圧倒され、「世界に目を向けるようになった」(哲也さん)。その後、国内で順調に成績を残し、五輪には08年北京(46位)、12年ロンドン(27位)、16年リオ(21位)に出場。リオで引退するつもりだったが、東京大会が決まり現役を続けた。美智子さんは「マウンテンバイクの魅力を知らない人が多いので、多くの人に伝えたいという思いがあったようです」と語る。

 小学校時代からサポートしてきた帯広市の鎌田輪業の故・鎌田利道さんも見守ってきた一人。長らく後援会長を務めたが、2月に83歳で亡くなった。大会が一年延期となり、レース観戦はかなわなかった。見舞いに行った哲也さんに「天から一つでも順位が上がるよう後押しする」と話していたという。

 鎌田さんの息子の道也さん(60)は鎌田さんの遺品のスマホで撮影しながら観戦した。「後列からのスタートで、しかも難しいコースにもかかわらず、後半追い上げ、最後まで頑張った。父の後押しも少しはあったかもしれません」(中沢滋人)