13歳の少女が起こした大逆転劇だった。
ストリート女子決勝。失敗続きだった西矢椛(もみじ)は、45秒間の自由演技「ラン」と一発の技にかける「ベストトリック」の計4回を終えた時点で8人中、最下位だった。残されたチャンスはベストトリック3回。「焦ってました」。次で5位に浮上し、迎えた計6回目の試技。
坂を下りながらジャンプ。空中で足を使って板を回転させた。体をひねり、後ろ向きになって細いレールに着地。得意の大技を決め、トップに立った。硬かった表情に笑顔が広がる。最後の試技も確実に決め、金メダル。「うれしすぎて……、涙がこみ上げてきました」
五輪が延期される前は、出場圏外の選手だった。1年間で見せた急成長。日本代表の早川大輔コーチが語る理由はこうだ。
「10センチほど身長が伸び…