五輪馬場馬術、林伸伍選手が夢実現 「人馬一体」体現

馬術

鈴木剛志
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 東京五輪馬場馬術に出場した林伸伍選手(36)=札幌市出身=は、3歳から市内の乗馬クラブで腕を磨き、夢を実現させた。25日の予選では個人、団体とも決勝進出を逃したが、恩師は「伸伍君の姿勢は安定して堂々としていた」とたたえた。

 「馬に乗るというより、馬に乗せられているという感じでしたね」。札幌市南区の「ほくせい乗馬クラブ」の代表、村上恵祐さん(56)は振り返る。

 幼い林選手は物静かな性格だったが、上の世代にも負けると悔し泣きした。「小学校を卒業するころには、将来の夢を馬術で五輪に出場することだと言っていたようです」

 中学高校と週末はクラブに泊まり込んで練習した。早朝から馬の世話と馬房の掃除もした。馬への心配りを欠かさず、演技の正確さや美しさを競う馬場馬術で、「人馬一体」が体現できるようになった。「騎乗姿勢が安定して無駄な動きがない。大人の選手が『うらやましい』と言ったぐらいでした」と村上さん。

 大学を経て社会人になるとさらに力をつけ、前回のリオデジャネイロ五輪では日本の代表権獲得に貢献した。だが、代表選考会では愛馬ではなく予備の馬に乗ることになり、補欠に回った。

 25日の林選手の演技。駆け足で馬の左右の脚を入れ替える動作やジグザグ走行などでミスが出て、ポイントが伸びなかった。演技後、林選手から村上さんにLINEでメッセージが届いた。予選敗退を「自分のミス」としつつ、次のパリ五輪を見すえ、「スタートだと思っています」とつづっていた。

 村上さんは「涙腺が緩みました。伸伍君が五輪の舞台に立てて本当によかった」と話した。(鈴木剛志)