苦難経た米映画続々 「やりがい搾取」日本と比べ考えた

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藤えりか
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シネマニア経済リポート

 「プロミシング・ヤング・ウーマン」「17歳の瞳に映る世界」「イン・ザ・ハイツ」……。難しいとされるテーマや設定ながら中止リスクも乗り越え世に出た米映画が7月、日本でも公開されている。女性や人種マイノリティーに光を当てた多様な作品にビジネスチャンスを見いだす機運の高まりに加え、日本と違って「頓挫してもただ働きは避ける」仕組みがあるのも下支えとなっている。日本の若き女性監督との議論も踏まえ、考えた。

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 「この作品は決して公開されないんじゃないかと思った」。日本で16日に公開された「プロミシング・ヤング・ウーマン」の脚本・監督を務めたエメラルド・フェネル氏(35)は4月、米NBCトーク番組「レイト・ナイト・ウィズ・セス・マイヤー」でそう語った。製作スタジオや配給会社の人も集めたテスト試写を開いた際、賛否から言い争いが起き、上映中に声を荒らげる人すら出たのだという。

 同作は「前途ある若い女性(プロミシング・ヤング・ウーマン)」への性暴力を、「前途ある若い男性」を守るために不問にしてきた状況を告発する復讐(ふくしゅう)劇。コロナ禍での延期を経て昨年クリスマスに米国で劇場公開されるや、大作目白押しの時期ながら、ジェンダー平等を求める世論も背景に、興行収入は初日で全米5位に。アカデミー賞にも作品賞を含む5部門でノミネートされ、うち脚本賞に輝いた。

お蔵入り、ハリウッドでも数知れず

 「成功」を経た今振り返ると監督の言葉は杞憂(きゆう)に聞こえるが、賛否も出る筋立てだけに、決して飛躍的な懸念ではない。大予算や年月をかけてもお蔵入りとなる「Development Hell(企画開発地獄)」は、ハリウッドでも数知れない。

 「17歳の瞳に映る世界」は…

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