黒い雨、国はなぜ扉閉ざした 救済の流れふさいだ報告書

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編集委員・副島英樹
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 「黒い雨」訴訟で原告全員を「被爆者」とした広島高裁判決に対し、菅義偉首相は26日、上告断念を表明し、直ちに原告らに被爆者健康手帳を交付すると述べた。

 今月14日の高裁判決は、これまで国側が認めてこなかった様々な研究結果を科学的知見として前向きに評価し、原爆の放射線で健康被害が生じる可能性が否定できない限り被爆者として認めるべきだという「人道的視点」に立った。国が上告を断念したことは、原告が高齢化する中、世論を納得させるだけの説得力ある理屈付けができなかったことを意味している。

 1945年に米軍が広島と長崎に原爆を投下した後、米軍の占領下で報道管制が敷かれ、被爆の実態は隠されてきた。原爆被害者への救援運動を受けて、原爆医療法が制定され、被爆者健康手帳の交付が始まったのは、終戦から12年もたった57年のことだった。

 その後、70年代後半には…

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