準決勝で負けたショック、弱い心断ち切って銅 柔道女子の芳田司

柔道

波戸健一
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 東京オリンピック(五輪)柔道女子57キロ級の芳田司が傷を癒やす時間は約1時間しかなかった。

 準決勝で敗れ、迎えた3位決定戦。コマツの松岡義之総監督が「度胸はあるが、悩みすぎる」という性格だ。本人も「負けた時はショックで、立ち直るのに時間がかかると思った」と振り返る。

 だが、そんな弱い心は断ち切った。

 相手のエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)は、21歳の勢いで接近戦を挑んできた。「絶対に銅メダルを取ってやろうと思った」と芳田。開始1分、得意の内股で技ありを奪う。返し技を狙う相手の動きもお構いなし。幼い頃から磨き続けた武器にかけた。3分過ぎ、再び左足ではね上げて技あり。決着をつけた。

 前回の五輪は、63キロ級の田代未来の付き人として会場に入り、気づくと、緊張感でぷるぷる震えていた。今回は選手として五輪に来た。ただ、ほしかった金メダルに届かず、銅。「まだ力がない」と声を振り絞るしかなかった。(波戸健一)