金メダルに迫った着地「1足分」の差 新生体操ニッポン、パリへ前進

体操

山口史朗
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 新生「体操ニッポン」が見せた、驚異の追い上げだった。

 最終種目の鉄棒。最後の演技は橋本大輝だ。ロシア・オリンピック委員会(ROC)との差は0・537点。「みんながミスなくつないでくれた。良い演技をして終わりたい」。19歳は次々と手放し技を決めていく。

 ラスト。高く舞い上がった着地はぴたりと止まる。15・100点。1位ROCの最終演技を待った。逆転が絶望的にも思えたトップとの点差は、一気に詰まっていった。

 4種目を終え、差は3・472点。中国にも僅差(きんさ)で上をいかれた。

 ただ、平均年齢21・5歳、全員が初めての五輪となる日本に悲壮感はない。演技を終えるたびに笑顔でハイタッチをする4人の巻き返しは、5種目めの平行棒からだった。

 「どんな状況でも絶対にあきらめない」と萱(かや)和磨。1番手で15・000点を出すと、続く北園丈琉(たける)、谷川航も高得点で続く。差は1・271点に詰まった。

 最終種目は日本が鉄棒、ROCはゆか。細かいミスを続ける相手に対し、日本はできる演技でつないだ。

 最初の萱で0・971点、2人目の北園で0・537点に。橋本の演技でまず中国を抜き去った。

 が、ROCは最後、19年世界選手権で個人総合を制したナゴルニーがミスをしない。逃げ切られた。

 最終的には0・103点差。橋本は言った。「この0・1はすごく重みがある。パリ五輪に向けて頑張りたい」。0・1は着地で「1足分」動くかどうか。3年後の「金」へ、その差を胸に刻んだ。山口史朗