「無観客」でも忙しい 五輪ボランティアの新たな役割

有料会員記事

軽部理人
写真・図版
オンラインでの公開収録後にポーズを決めて写真を撮る市川浩二さん(右)ら都市ボランティア=2021年7月21日午後5時13分、東京都千代田区
[PR]

 東京オリンピック(五輪)の大半が無観客開催となったことで、観客案内という主な役割を失ったボランティアは少なくない。盛り上がる観客とボランティアが一体になってハイタッチする――。多くのボランティアが期待したスポーツの祭典ならではの光景は見られなくなったが、少しでも大会を盛り上げようと活動するボランティアたちがいる。

 「皆さん、銀座の地名の由来は知っていますか?」

 大会開幕を4日後に控えた19日午前。五輪をPRするための会場「東京スポーツスクエア」(東京・有楽町)に設けられた簡易スタジオで、公開収録に臨んだ澤内隆さん(70)はカメラに向かって語りかけた。

 澤内さんは、観客の誘導などを担う予定だった「都市ボランティア」。この日紹介していたのはパラリンピックで使用されるマラソンのコースだ。浅草や銀座、東京タワーなど都内の観光名所で自ら撮った写真などを示しながら、「トリビア(豆知識)」を披露した。後日、英語の字幕をつけてオンライン配信されるという。「どんな形でも大会を盛り上げる。それがボランティアの務め」と澤内さんは言う。

写真・図版
パラリンピックのマラソンコースをオンラインで紹介する澤内隆さん=2021年7月19日午前9時45分、東京都千代田区

 都市ボランティアの主な役割は本来、競技場の最寄り駅や競技場までの路上、パブリックビューイング(PV)会場で観客を案内すること。観客と触れ合う機会も多く、2年前のラグビーW杯では、国内外の観客とボランティアがハイタッチして歓喜する場面が各地で見られた。

 スポーツの祭典の雰囲気を楽しみながら、大会に貢献できることから、2018年に都が都市ボランティアの募集を始めると、2万人の募集枠に対して約3万7千人の応募があった。19年10月からは研修も始まり、ボランティア同士が親交を深めてきた。

 だが、新型コロナウイルスの…

この記事は有料会員記事です。残り1343文字有料会員になると続きをお読みいただけます。