市和歌山と智弁和歌山の決勝、エースに注目 高嶋仁の目

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(27日、高校野球和歌山大会決勝 市和歌山-智弁和歌山 12時30分開幕)

 準決勝までの4試合をすべてコールドで勝ち上がり勢いに乗る市和歌山と、4試合中3試合で先取点を奪われながら負けない野球を展開した智弁和歌山。この大会、有力視された両校ですが対照的な戦いぶりで決勝に進みました。

 市和歌山はこれまで完璧な戦いでした。出場した選手全員のバットが振れていて、バントもしっかり決めています。攻撃のリズムがいいのでヒットも続きます。中でも松川虎生君(3年)は、高野山との準決勝でコールド勝ちを決める本塁打を放つなど、期待された場面で打てる球を的確に捉えています。

 投手陣も3回戦の田辺工戦では、米田天翼君(2年)、江川凌世君(3年)のリレーで無失点で抑えるなどエースの小園健太君(3年)を休ませることができました。その小園君は準決勝では、変化球を使って直球をさらに速く見せるなど、一段階上がった投球をしています。

 智弁和歌山は準々決勝の初芝橋本戦では延長十三回にもつれ込みタイブレークで勝利するなど苦しみながら、勝ち上がってきました。先取点を奪われても、負けない戦いは伝統の力を感じさせます。

 1年生の夏から4番を任されている徳丸天晴君(3年)は今大会、引っ張りが目立ちましたが、準決勝では球が上がり始めました。アウトにはなりましたが、3、4打席のフェンス直前まで運んだ左飛は、もう少しで本塁打でした。本塁打が出なくても徳丸君が打てばナインの士気も上がります。決勝のバッティングが注目です。

 両校の先発は小園君と中西聖輝君(3年)のエース対決が想定されますが、お互いになかなか点は取れないと思います。市和歌山がこの勢いのまま制するか、智弁和歌山が粘りを発揮するか。いずれにしてもおもしろい試合になりそうです。最後は甲子園への思いが強い学校の方に、野球の神様がほほえむでしょう。

 (智弁和歌山・前監督)