生光学園がサヨナラ負け 後輩エース、励まし続けた主将

紙谷あかり
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(26日、高校野球徳島大会決勝 阿南光3-2生光学園)

 九回裏、無死一、二塁。サヨナラのピンチ。生光学園の主将・吉田隆希君(3年)はマウンドに集まった内野陣に呼びかけた。「ここまで何度もピンチをしのいできた。自分たちがやってきたことを信じて、最後まで守り切ろう」

 80人を超える大所帯のチームで、1年生の夏からレギュラーを務めてきた。新チーム発足時には投票で主将に選ばれたというが、幸島博之監督は「投票というか、満場一致でした」。

 内気な性格で、気持ちを前面に出せないタイプ。しかし落ち着いたプレーで周りを引っ張り、後輩たちが居心地のいいチーム作りを意識してきた。自分自身、上級生の中でプレーする重圧を感じてきたと同時に、たくさん声をかけてもらった経験があるからだ。

 今大会、5試合先発した2年生エースの奥浜宏平君へは、「1人じゃない。3年生がついてる」「お前で打たれたら仕方ない」と励まし続けた。

 試合でもチームの要として、攻守で活躍を見せた。特に打撃では、5試合中4試合で適時打を、阿波戦では2点ランニング本塁打も放った。決勝では得点には絡めなかったものの、初回は先頭打者安打で出塁し、チームに勢いをつけた。幸島監督は「いろんなものを背負ってやってきてくれた。今年は隆希のチームだった」。

 中学3年だった3年前、徳島大会決勝で生光学園が敗れる姿をスタンドから見ていた。勝つことの難しさを痛いほど感じ、「決勝戦で絶対勝ちきる」という決意を胸に入学した。決勝の壁は厚かったが、「打席に入るとき、『お前が一番やってきたから打てる』とみんなに声を掛けてもらえた。最後までやりきった」。すがすがしい表情を見せた。(紙谷あかり)