優勝の三重、春は控え部員の不満噴出 団結し夢の舞台へ

岡田真実
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(26日、高校野球三重大会決勝 三重6-5津田学園)

 1点差まで詰め寄られた九回表2死二、三塁。ピンチの場面で、鋭い打球が二塁手のグラブをはじいた。

 「抜けやんといてくれ。なんとか捕ってくれ」

 一塁を守っていた三重の池田彪我(ひゅうが)君(3年)が祈ると、二塁手はすぐに体勢を立て直して捕球。自らに送られた白球は、勢いよくグラブに収まった。

 「アウト」。審判の宣告を耳にすると、喜びで投手の元へ走り出した。

 主将として部員115人のチームをまとめる。新チームは順調な滑り出しだった。昨秋の県大会で優勝、東海大会でもベスト4の好成績を収めた。

 結果が良かった分、メンバーは固定されるようになった。気の緩みが目立ち、練習後の片付けをしなかったり、控え部員がボール拾いをしてくれることが当たり前になったりしていた。

 「レギュラーの人がもっと率先して動いてほしい」「応援されないチームになっている」――。春の県大会で1回戦コールド負けしたことをきっかけに、控え部員の不満が一気に噴出。3年生56人の緊急ミーティングで、池田君はレギュラーを代表して謝罪し、言った。「みんなから信頼されるようなチームになろう」

 部員の行動はこのミーティングの翌日から大きく変わった。レギュラーメンバーは、練習をサポートしてくれた控え部員に感謝の言葉をかけるようになった。控え部員もミーティングを開き、チームのためにすべきことを話し合った。

 迎えた決勝、粘り強さが持ち味の津田学園に何度も流れを持っていかれそうになったが、「気持ちやぞ」と仲間と声をかけ合った。

 「苦しい試合だったが、全員が一つとなって攻め続けられた。甲子園のために2年半、頑張ってきてよかった」。次はいよいよ夢の大舞台に挑む。(岡田真実)