「黒土泥棒」に習近平氏も危機感? 中国穀倉地帯に出没

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五常=平井良和
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 有機質が豊富な天然の腐葉土「黒土」の大地が広がる中国最大の穀倉地帯、黒竜江省の小さな村でこの春、「土泥棒」の騒ぎが起きた。中国東北部では、ありふれた事件だが、国営メディアは「貴重な資源の破壊」と大々的に報じている。いったいなぜなのか。(五常=平井良和)

国営メディアが大きく報道

 黒竜江省の省都ハルビンから南東に車で約5時間、吉林省との境界近くにある福太村。国内でも指折りの「米どころ」と言われる五常市の市域にあるが、飲食店がある最寄りの街からも50キロ離れ、田畑の間をぬう道は未舗装の泥道だ。以前は数百世帯が暮らしていたが、住民の多くはその不便さから街に出てしまい、空き家ばかりが目立つ。

 「黒土泥棒」と呼ばれる事件が明るみに出たのは今年3月。田畑が広がる村のはずれには、大量の土が掘り返されて深くくぼんだ田んぼが残る。村人らによると、土地改良の名目で約9ヘクタールの田を借りた村外の業者が今年の初めごろから重機で掘り始めたという。

 村に住む韓臣さん(61)は「あの場所は腐った草が多く混じる肥えた土で、特に貴重だった」と言う。業者の目的は、肥料などとして取引される「草炭」という炭化した下層まで掘り返して売ることだった。現場近くに住む男性(63)は「村人はみんな怒った。1メートル以上も掘られた」と言う。

 中国東北部の黒土はウクライ…

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