大坂なおみ「悔しいけど、出られてよかった」 重圧と闘った初の五輪

テニス

遠田寛生
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 涙が両方のほおをつたった。3回戦でマルケタ・ボンドロウソバ(チェコ)にストレート負けした女子テニスの大坂なおみ(23)の声は震えていた。目標にしてきた東京オリンピック(五輪)について問われると、英語で「ここに来られて本当にうれしかった。負けたのは悔しいけど、初めて五輪に出られてよかった」と言葉を絞り出した。

 大会への出場は約2カ月ぶり。試合後の記者会見を拒否する発言を発端に、「うつ状態」を明かして途中棄権した全仏オープン以来だった。実戦不足が懸念されるなか、1、2回戦を快勝し、期待は高まっていた。ただ、初対戦となった世界ランキング42位の22歳は強かった。左利きで変則的なショットに苦しんだ。途中からは焦りもみえた。

 母国での開催は重圧との闘いでもあった。4大大会のシングルスで計4勝。東京五輪の開会式では聖火台への点火役を務めた。そして、期待されたのは金メダル。「プレッシャーはすごくあった。最初の五輪としては少し重すぎた」。ボンドロウソバも「大変だったと思う。その重さは私にはイメージできない」と気づかうほどだ。

 悔しさからか、試合後には混乱も招いた。競技を終えた選手は取材エリアを通る規定になっているが、そこを通らずにいったん会場を後にした。日本テニス協会によると、負けた選手にも、その規定が適用されることを大坂は知らなかったという。同協会の説得により約30分後に取材エリアに戻り、メディアに応じた。規定を破れば罰金の可能性もあったという。

 海外からの注目度も高かった大坂。大きな期待と重圧を背負った初めての五輪が終わった。(遠田寛生)

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