智弁和歌山V 好投手に狙い球を絞り対応 高嶋仁の目

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(27日、高校野球和歌山大会決勝 智弁和歌山4-1市和歌山)

 予想通り序盤は緊迫した投手戦となりました。その中で、智弁和歌山が自分たちのリズムで進められたことが勝利に結びつきました。先発がエースの中西聖輝君(3年)ではなく、伊藤大稀君(3年)だったのは、中谷仁監督が「後半勝負」と考えたからだと思いますが、打線の調子がいま一つ上がらない中、的確な采配でした。

 先取点を奪ったあとの七回の守りは、最初から中西君を登板させた方がよかったと思いましたが、先発の伊藤君も中西君も見事な投球で、市和歌山に主導権を渡しませんでした。

 勝ち越し点を奪った七回の連打は、好投していた市和歌山の小園健太君(3年)に対して、しっかりと狙い球を絞っていました。選手たちの努力ももちろんですが、ああいう場面で打てるのは伝統の力だと感じます。

 市和歌山は二回に松川虎生君(3年)の右翼線二塁打などで無死一、三塁の好機を作りました。スクイズも考えられる場面でしたが、三ゴロ併殺打に倒れるなど無得点に終わりました。この大会、打線が好調だっただけに打者を信頼したのだと思いますが、1点を争う試合で、先取点の好機を逃してしまったことは残念です。勝利の神様が相手にいってしまったように思います。

 智弁和歌山は六回に先制点が取れたのが大きかったです。身内ですが左前安打を放った孫=高嶋奨哉君(3年)=をほめないと仕方ないでしょう。八回に二死から大西拓磨君(3年)が四球を選んだのもよかったと思います。市和歌山のリズムで九回の攻撃に入らせませんでした。

 この大会、苦しい試合を経験したことも力になりました。甲子園でも、よい戦いができるでしょう。のびのびとやれば結果はついてきます。暑さとコロナへの対策をしっかりして臨んでほしいと思います。

 (智弁和歌山・前監督)