有田焼の地元で学ぼう 有田工と町が県外生徒支援で協定

渡辺松雄
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 日本を代表する磁器・有田焼の地元にあり、「セラミック科」「デザイン科」という特色ある学科を持つ佐賀県立有田工業高校(有田町桑古場)が、両科で学ぶ生徒を全国から募っている。親元を離れて暮らす生徒の生活を支え、まちに溶け込めるようにしようと、県教育委員会と町が協力態勢を整えた。

 有田工高は1900(明治33)年、県立工業学校有田分校として創立された。初代校長の納富介次郎(1844~1918)は画家で工業デザイナー。後の石川県立工業高校や富山県立高岡工芸高校、香川県立高松工芸高校を創設し、校長を務めた。これら3校と有田工高はいまも交流を続けている。

 有田工高の「セラミック科」ではろくろや絵付けなどの陶芸技術はもちろん、ファインセラミックスなど先端技術を学ぶ。「デザイン科」では、平面や立体、デジタルなど様々な在り方のデザインに取り組む。

 両科ともに就職先は窯元や陶磁器会社のほか、自動車や半導体のメーカー、造船所、印刷会社など幅広い。東京五輪聖火リレーで使われたトーチをデザインした吉岡徳仁さんはデザイン科の卒業生だ。

 現在、大分県の窯元の子弟1人がセラミック科に在籍している。県教委は、来年度は両科合わせて県外から5人程度入学してもらうことを目指している。定員はいずれも40人だ。

 県外から入学する生徒たちを支援しようと、県教委と町は12日、連携・協力協定を締結した。町は、下宿や飲食店の情報を生徒に提供したり、祭りなどで地域の人たちと交流するのを後押ししたりして生活を支える役割を担う。

 生徒募集には、一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」(松江市)の事業「地域みらい留学」を利用し、オンラインで学校説明会などをする。

 県教委の落合裕二教育長は「有田焼の歴史は400年を超える。町の全面的な応援・協力を得て、生徒への環境を提供していきたい」。松尾佳昭町長は「下宿先は宿泊だけだったり、食事付きだったり、何パターンか(町民に)お願いしたい」と語った。(渡辺松雄)