鎌倉にたたずむ難民シェルター 閉じた心、取り戻すため

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林知聡、織井優佳
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 神奈川県鎌倉市の北東の外れ、十二所(じゅうにそ)。うねうね続くバス通りから急坂を登った静かな木立の中に、「アルペなんみんセンター」はある。現在はスリランカやコンゴなどからの8人が身を寄せているが、その存在を知る人は地元でも少ない。コロナ禍で地域との交流機会は少なく、多くの人に難民の境遇を知ってほしいと模索が続く。

 センターが修道院だった場所にできたのは昨年4月。名称は、イエズス会の総長を務め、広島で原爆を体験、被爆者の救援・介護に尽くしたペドロ・アルペ神父に由来する。

 来日後に在留資格を失った外国人の中には、内戦や紛争などで身の危険を感じて帰国できず、ホームレスになる人や、出入国在留管理庁入管)の施設に長期収容されて衰弱する人も多いという。

 難民支援を長年続けてきたセンター事務局長の有川憲治さん(59)は、難民申請中の人が落ち着いて暮らせる場所が必要と考えた。共感したイエズス会が、広大な敷地と最大30人が寝泊まりできる建物を無償で貸してくれた。国内有数の大規模なシェルターで、難民申請の結果を待つ間、「仮放免」された人たちを受け入れている。

入管施設のつらい記憶 庭を前に泣く女性

 各地の支援団体の紹介でやってきた入所者は事情も出身も様々だが、入管施設でのつらい記憶は共通だという。東京・品川など各地の収容施設で数年を過ごし、その間、1日の運動時間は30分しかなかったという女性は、センターに来た当初、数百メートルも歩けなかった。

 ずっと収容施設の小窓から外…

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