古希の桂南光、さすがの高座 渾身の進化形「らくだ」

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篠塚健一
写真・図版
「らくだ~ 成仏せいよ~」。力強く叫ぶ桂南光=2021年6月、大阪市中央区の大阪松竹座
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古希記念独演会ツアーの最終日

 業深き人々が交じり合い、織りなす社会。そこに生まれる悲喜こもごもが、ぬくもりを持って感じ取れる。桂南光の古希を記念した独演会ツアーの最終公演(6月26日、大阪松竹座)で落語の妙味を味わった。

 演目が公表されていなかった1席目は「つぼ算」。妻に水つぼを買いに行かされる間抜けな男と、頭が回る徳さんの値切りの噺(はなし)だ。50銭まけてくれたら、うどん屋を始める弟に紹介する……。まず瀬戸物屋の商売人心理をくすぐり、わざと間違って買ったつぼを下取りさせるトリックで7円のつぼを3円で手に入れる。

 買い物上手な徳さんに舌を巻いた番頭が、自分の買い物にも付いてきてほしいと頼む場面を加えたのが秀逸。南光流の工夫で、大阪の商人が「思うツボ」にはまってしまう伏線を笑わせながらさりげなく描いた。

後半の読みどころ

桂南光が性善説の立場で考えた「らくだ像」とは。

 中入り後、ゲストのオール阪…

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