「なでしこらしく」辛くも1次L突破 重圧乗り越えたエースの涙

サッカー

勝見壮史
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 東京オリンピック(五輪)サッカー女子で、2大会ぶりの出場となった日本は、8強入りを決めた。4チームが3組に分かれて争った1次リーグのE組で、1勝1分け1敗。各組上位2チームと、全組3位のうち、成績の良い2チームが進む準々決勝に辛くも進んだ。

 「試合前は、今まで感じたことのないプレッシャーを感じていた」。1―0で今大会初勝利を飾った27日のチリ戦後、取材に応じたエースFW岩渕真奈は、真っ赤になった目をタオルでぬぐった。これが、なでしこジャパンの現在地を物語っているようにも思えた。

 銀メダルだった2012年ロンドン大会以来、2大会ぶりに五輪の舞台に戻った日本の立ち位置は、大きく変わっている。前回リオデジャネイロ五輪は、予選で敗れ、出場できなかった。

 今大会のチリ戦。世界ランキングは日本の10位に対し、チリは37位。日本は序盤から攻め続けた。シュート数もチリの4本に対して、日本は21本。高倉麻子監督は「じれずになでしこらしく、我慢強く戦えた」と振り返ったが、枠を外すシュートも多く、詰めの甘さが際立った。

 16年に就任した高倉監督は、11年W杯優勝メンバーに頼らず、世代交代を進めてきた。ただ、球扱いのうまい若手を多く起用して臨んだ19年W杯フランス大会は、16強止まり。監督は「守備的になるわけではない」と言ったが、スピードやパワーで押してくる欧米勢対策として、昨秋以降は守備の強化にも力を注いできた。

 現在地を意識し、臨んだ五輪で、8強には進めた。30日の準々決勝は、世界ランク5位のスウェーデンと対戦する。19年W杯優勝の米国を3―0で下すなど、唯一、1次リーグを3連勝で勝ち上がった好調のチームだ。岩渕は言う。「今の自分たちの実力なら、相手がどこでも難しい試合になるのは間違いない」。挑戦者として4強入りに挑む。(勝見壮史)