151人の思い背負う報徳学園エース 相棒は最後に絶賛

井岡諒
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(27日、高校野球兵庫大会準決勝 神戸国際大付6-2報徳学園)

 「ピンチのときでも冷静に。スタンドの3年生も全員が味方だから、周りを信じて」

 四回裏、報徳学園のエース久野悠斗君(3年)を中心にマウンドに集まった内野陣に、駆け寄ってきた伝令がこう伝えた。2点を先取したが、この回、連打を浴び、無死一、三塁のピンチを迎えていた。

 次の相手4番は三振に切って取ったが、続く打者は一塁への強襲安打。1点差に詰め寄られた。

 「エースとして自分が抑えなければ」。焦りが、力みにつながった。初めての四球で1死満塁。次の打者に、初球のスライダーを右前にはじき返され、逆転の2点適時打に。守りの乱れもあって、この回だけで6点を失った。

 捕手の南條碧斗(りくと)君(3年)は、浮いた変化球が狙われていることに気付いていた。「変化球はワンバンでも止める。思い切ってこい」。ジェスチャーで励まし続けた。

 六回以降は「落ち着いて、野手につなぐ気持ちに切り替えられた」と久野君。散発2安打に抑え、再び本塁を踏ませなかった。

 準決勝までの5試合で、登板はわずか1試合。他の投手陣の奮闘に助けられていた。準決勝の相手は、強打を誇る今春の選抜出場校。だからこそ「151人の部員やその保護者の思いも背負って、用意された舞台で勝ちきる」。そう意気込んで臨んだ一戦だった。

 「6失点はエースとして0点の内容。両親や指導者、支えてくれた人たちに申し訳ない。それだけです」。久野君は目を赤くし、悔しさに唇をかんだ。

 1年からバッテリーを組んできた南條君は、最も近くで支えてきた。「責任感が強く、一番しんどい思いをしてきた久野にお疲れ様と言ってあげたい。日本一のピッチャーだと思います」(井岡諒)