検査不正で社長辞任の三菱電機、後任に漆間啓専務が昇格

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 三菱電機は28日、鉄道車両向けの設備をめぐる検査不正の引責で杉山武史社長(64)が同日付で辞任し、後任に漆間啓(うるまけい)専務(62)が昇格したと発表した。不正が繰り返される背景には、都合の悪い情報を吸い上げられない企業体質がある。漆間氏は、これを変えられるかが問われる。

 杉山氏は取締役や執行役から外れ、特別顧問に就いた。柵山正樹会長(69)は留任する。

 社長に昇格した漆間氏は1982年に入社。工場の自動化設備部門や欧州代表などを務めてきた。20年4月からは経営企画担当の専務として、中期経営計画のとりまとめにあたった。

 漆間氏は記者会見を開き「危急存亡の時。使命は企業風土の改革を進めて新しい三菱電機をつくり、社会の信頼を取り戻すことだ」と述べた。

 杉山氏は辞意を表明した2日の記者会見で、後任について「ふさわしい人材は三菱電機内に十分いる」と述べていた。

 今回の不正は、長崎製作所(長崎県時津町)でつくっている鉄道車両向けの空調設備や、ブレーキやドアに使う空気圧縮機の検査で発覚した。

 出荷前の検査で、顧客と取り決めたやり方とは違う方法で検査したり、架空のデータを入力したりする不正が85年ごろから続いていた。架空データを自動的につくる「専用プログラム」を使っていた。

 三菱電機では18年以降、製品の品質データの偽装や検査の省略といった不正が今回を含めて計6件見つかった。

 再発防止に向け、社外の弁護士らによる調査委員会を設け、原因などについて調査を進めている。調査結果は9月に公表される見通し。不正の実態がどこまで解明されるかに注目が集まる。