体操女子の団体で五輪3連覇を逃しても、米国のシモーン・バイルス(24)と仲間たちは笑っていた。
「金メダルどうこうじゃないんです」と。
バイルスは前回のリオデジャネイロ大会で4冠を達成。今大会も金メダル量産が有力視されていた。その表情が曇ったのは、1種目めの跳馬の後だった。
2回半のひねり技が1回半になる失敗があった。「チームの足を引っ張った。私はベストではなかった」。不安げな顔でコーチの元へ歩み寄ると、段違い平行棒、平均台、ゆかと続く残りの演技を回避した。
何が起こったのか。
試合後の会見で彼女は「けがではない」と言った。続けて、メンタル面の不調を明かした。
「ストレスがかかっていた…
- 【視点】
バイルスの決断は、日本スポーツではあまり選択されない種類のものではないでしょうか。 跳馬で失敗し、自らのメンタルの不調を確信したのでしょう。記事のコメントからは、無観客という慣れない環境への不適応、1年の延期によるモチベーションの低下が