サヨナラ打の坂本勇人、結果で証明「やれることやってチームの力に」

野球

松沢憲司
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 巨人の主将は、侍ジャパンでもその勝負強さを発揮した。2008年北京大会以来の五輪での試合。サヨナラ勝ちをもたらしたのは坂本勇人の一打だった。

 九回に執念のスクイズなどで2点を追い付き、なお1死満塁で迎えた打席。坂本は初球の速球が真ん中付近に来たのを見逃さなかった。バットを鋭く振ると、まだボールが空中にあるうちから得点を確信し右手でガッツポーズを決めながら一塁に走った。

 野球が五輪の実施競技として採用されることが決まった16年から、この舞台に立ち金メダル獲得に貢献することが坂本の大きな目標の一つだった。

 「五輪で野球はここ数大会、なかった。それが復活して、まして東京大会。野球人生、そんなに長くない。15年、20年やってもそういうタイミングがなかった人が多い中で、たまたま現役でプレーしていて、選んでもらえた。こういうタイミングはなかなかない。思うところはある」

 しかも、日本代表のチームメートには兵庫・伊丹の少年野球チームで一緒だった田中将大(楽天)がいる。「一緒に代表のユニホームを着てプレーできるのは、うれしく思う」

 今年33歳になる2人は、今回の侍ジャパンでは最年長の世代。坂本はプロ通算2061安打、253本塁打の実績に加え、巨人で主将を任されて今年が7季目。代表の稲葉篤紀監督からも絶大な信頼を寄せられている。

 もちろん、坂本にもその自覚がある。「打った方が貢献できるけど、いい結果、悪い結果、どんな結果が出ようとも、チームが勝てばいいという気持ち。状況状況で自分がやれることをしっかりやって、チームの力になれたらいい」

 5月に走塁中に右手の親指を骨折。一時は五輪出場も危ぶまれた。負傷からわずか1カ月で1軍に復帰し、日の丸を身につけて迎えた大舞台で活躍。日本球界にとって、かけがえのない存在であることを結果で証明した。(松沢憲司)