横浜、名門復活なるか 楽天・涌井と組んだ監督の変革

坂名信行
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 (28日、高校野球神奈川大会 横浜17―3横浜創学館)

 就任2年目の横浜・村田浩明監督(35)は安達大和主将(3年)らと抱き合い、涙した。「ようやく一歩目を踏み出せたと思う」

 第100回記念大会以来、3年ぶりの全国選手権出場だが、出場できなかった期間の長さ以上に、「低迷」とみられた。名門復活を託された監督と選手が、激戦の神奈川大会を制したことで少しだけ報われた瞬間だった。

 しぶとい打撃と隙を突く走塁。先取点の取り方に「強い横浜復活」が垣間見えた。

 一回だ。2死から死球で走者を出すと4番立花祥希(3年)が右前安打。右翼手が球をはじく間に一塁走者が一気に生還した。立花は「大会を通して全員がチームのために徹する打撃ができた。それが成長」と胸を張る。

 主導権をつかむ四回までに放った16安打のうち、中堅方向や流し打った安打は12本、バント安打が1本と徹底して丁寧に攻撃した。

 村田監督は横浜のOB。高校時代は、涌井秀章(楽天)とバッテリーを組んだ捕手だった。

 神奈川・白山を7年間、指導し、2020年4月に母校の監督に就いた。「県立高校から甲子園」が夢だったが、恩師の渡辺元智・元監督から「お前しかいない」と言われ、決断。「白山では4人から始まって、当時は部でもなかった。でもやればやるほどチームになっていって。その経験があったから横浜でも何とかなると思った」と振り返る。

 「変革」をテーマに掲げ、変えられる部分はどんどん変えた。打撃練習で遠くに飛ばすだけだった選手を見て、「捕手の目線から見て、簡単に抑えられると思った」。

 右打者は右方向へ、左打者は左方向へ。ぎりぎりまで球を引きつけてコンパクトに振る。チーム全体での攻撃を身につけさせた。今春の選抜大会で優勝したライバル校、東海大相模のエース左腕・石田隼都(3年)の攻略を見据えた打撃だった。

 ほかにも、瞬時に判断してプレーできるようにと、ミーティングを増やした。安達主将は「『カジュアルミーティング』と言って、10秒、30秒程度のものもある。とにかくグラウンドを含めどこでもいいので、疑問点などを話し合った」と言う。

 1998年に松坂大輔(西武)らを擁して全国制覇して以降、全国選手権大会では2001年、08年の4強が最高成績となっている。安達主将は試合後のインタビューの最後に、きりっと目線をスタンドに上げて言った。「必ず優勝できるようにしたい。これからも横浜高校を応援よろしくお願いします」(坂名信行)