専門家「経験ない拡大」指摘 首都圏の75%が変異株か

新型コロナウイルス

市野塊、田伏潤
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 新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は28日、会合を開き、東京都を中心とする首都圏だけでなく、全国の多くの地域で感染者が増加傾向にあり、「これまでに経験したことのない感染拡大となっている」と指摘した。

 東京都に対する4回目の緊急事態宣言から2週間が経ったが、人出の減少幅は前回より小さく、効果は薄い。感染力が強い変異株(デルタ株)が、推定で首都圏の新規感染の75%を占めるようになり、今後も感染拡大が続くと懸念されている。

 27日までの1週間の新規感染者は人口10万人あたりで、東京が88・63人。前週より1・49倍に増えた。各地で増加率は高く、北海道1・35倍、埼玉県1・58倍、千葉県1・48倍、神奈川県1・37倍、愛知県1・46倍、大阪府1・52倍、福岡県2・20倍、沖縄県2・15倍となっている。全国平均でも1・54倍だった。

 東京都医学総合研究所は、3回目と4回目の緊急事態宣言で、繁華街の滞留人口を比較。宣言後2週間で、3回目は昼間(正午~午後6時)は36・0%、夜間(午後6時~午前0時)は48・2%減っていた。しかし今回は、昼間で13・7%減、夜間で18・9%減と2分の1以下の減り幅にとどまっている。

 デルタ株の疑いがある「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は26日までに、全国のPCRスクリーニング検査で7153人を確認した。8割が首都圏だった。前週の4349人から急増している。

 専門家組織の脇田隆字座長は会合後の記者会見で、緊急事態宣言について、「効果が出ているとは言いがたい」と指摘。医療への負荷が高まっているとし、「このままの状況が続けば、通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される。こうした危機感を行政と市民が共有できていないことが現在の最大の問題」と述べた。(市野塊、田伏潤)

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