安全対策次々 条例制定の動きも 八街事故から1カ月

上保晃平、小木雄太、多田晃子
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 千葉県八街(やちまた)市で飲酒運転のトラックが下校中の市立朝陽(ちょうよう)小の児童をはね、5人が死傷した事故から28日で1カ月がたった。現場付近の道路では今後、様々な安全対策がとられる予定だ。一方、県議会では飲酒運転根絶を目的とする条例制定に向けた動きも出ている。

 現場の献花台を訪れる人は今も絶えず、花束やジュースなどが供えられている。この日訪れた同市の会社員斉藤省吾さん(56)は、息子が事故で負傷した児童と同じ保育園に通い、仲良く遊んでいたという。「事故以来、息子の笑顔がなくなった。1カ月経ったとは思えないくらいつらい」と声を詰まらせた。同市のパート鈴木里砂さん(46)は「あともう少しで家だったのに、と思うと胸が詰まる。飲酒運転は許せない」と話した。

 現場は見通しのよい直線で、幅は6・9メートル。歩道やガードレールがなく、車が通るスペースと路肩を区切る「外側線」も速度規制の標識もない。抜け道としても使われ、通勤時間帯は交通量が多い。

 八街市などは来月から順次、現場を含む約2キロの道路の片側に、歩行者を守るためのガードパイプを設置する。さらに市はこの区間で、外側線を新たに引いたり一部引き直したりする。県警は同じ区間の市道に時速30キロの速度規制を導入するほか、現場と朝陽小の間に横断歩道を2カ所設置する方針だ。

 国も現場付近で、路面に凹凸(おうとつ)をつける工事を行うほか、車道を狭めるためにガードレールを設置する。いずれも車に減速を促すのがねらいだ。国土交通省のAIカメラを使って交通量などを計測し、効果を検証するという。

 事故を受け、自民党県議団は飲酒運転根絶を目的とする条例の制定に向けて検討を始めた。今年度中の県議会での成立を目指す。飲食店や小売店などに飲酒運転防止の努力義務を課す規定や、罰則を設けるかも含めて検討するという。

 この事故では2人が死亡、1人が重体となり、2人が重傷を負った。トラック運転手の梅沢洋被告(60)が自動車運転死傷処罰法の危険運転致死傷罪で起訴されている。(上保晃平、小木雄太、多田晃子)